No.139 (「トルコ・イランの近代化」)  : 

「W.W.T後のトルコの『九死に一生』とはどういうものか?」

トルコはセーヴル講和条約により国土の大幅な縮小や不平等条約に直面して
いたが、ムスタファ=ケマル(ケマル=パシャ)が立ち上がりギリシアとの
戦争で勝利することによって、セーヴル条約を破棄して対等なローザンヌ条
約を結んだ。この条約でトルコはイズミル(スミルナ)を回復、スルタン制
を廃止してオスマン朝を滅ぼしたケマルを初代大統領として共和国が樹立さ
れ、カリフ制廃止、トルコ語表記のローマ字化、西暦採用などを実施して近
代化していった。

<評価の観点>
関心・意欲・態度:

「トルコの父」ケマルが、我が国の明治維新や文明開化を参考にして、新生
トルコの国造りを行ったことに大きな関心を持って学習に取り組んでいる。

思考・判断:

「脱亜入欧」が我が国なら、「脱イスラーム国家入欧」がトルコ共和国であ
るという類型的なとらえ方で、トルコ革命の内容や意義について考察してい
る。

資料活用の技能・表現:
トルコ語表記のローマ字化(我が国では第二次大戦の敗戦後に論議された)
を自ら推進するケマル大統領の写真等を見て、トルコ共和国の脱イスラーム
国家のための改革を実感している。

知識・理解:
ギリシア軍撃退とトルコ革命の成功により、領土や主権を回復するとともに、
オスマン朝を滅ぼして共和国を建国、近代化政策を実施したケマル=パシャ
の活躍について、基本的な知識を身につけている。